創業者のインタビュー

質問者:長年、稲作栽培に携わってきていらっしゃいますが、細矢農園という会社はどうして作られたのですか

細矢 :米作りは、昔からやっていたけど、会社にしたのは10年ちょっと前の平成14年ですね。それより少し前に平成5年だったかな米の不作で「平成の米騒動」なんて言われたほどに市場にお米がなかったんですよ。覚えていませんか給食でカルフォルニア米やタイ米とかでませんでしたか

質問者:あ~覚えてます。私は給食で確か、カルフォルニア米を食べました。味は覚えていませんが。

細矢 :あの時に、人が米ないか米ないかって来るんですよ。米は作っていたけど手元になかったんですよ。切なかったですね。お客様に直接届けられたらと思い会社を作ったんですよね。会社を作るからには、地域に必要とされる農園でないといけないと思うんですよ。

質問者:地域貢献ですか

細矢 :いやいや、そんな大それたものじゃないです。もちつき大会したり、古い農機具や昔の暮らしを展示したり、請負農作業をしたりですね。できる範囲で地域と関われたらと思っているんですよ。なにせ、昼間の野っ原にいるのは、細矢農園だけですから、なにかあったら地域の人の手助けを優先することを従業員も自覚しています。

質問者:そういえば、週末ぬか釜炊いたり、農機具を展示してますね。なんでですか。

細矢 :農園に来てもらった人に試食していただくのは、もちろんですが、展示品をみて食について考えるきっかけとなればいいなと思っているんです。都会とのふれあいの場として農園を提供できたらと思います。

質問者:食について考えるとは具体的にどういうことですか。

細矢 :現在は飽食の時代となって、いつでも食べ物が手に入り食べ物の価値が薄らいでいますが、そうじゃないんだよ。食べ物は、工業や製造業とはちがい自然の産物なんだよ、食べ物一つが自然の一部なんだよ、昔の人たちがいかに自然と共存し、知恵をしぼり、創意工夫をしてきたかを古い農機具や昔の暮らしを通して知っていただきたい(その上に、今日があるんだということを知るきっかけになればよいと思い始めたんだですよ)

質問者:なるほど、古い文化を発信しているわけですね。

細矢 :食について考えてもらえたらなんて言いながら、安心・安全でない食べ物はつくれませんよね。直接お客様に届けるものだから、安心・安全な食べ物を作ることは当然だと思っています。

質問者:お米や、雑穀でも有機栽培に取り組んでいらっしゃいますね

細矢 :正直、手間ばかりかかって大変ですが、お客様にとって安心・安全な食べ物は何かって考えたとき、有機栽培は安心の代名詞だと思います。

代表取締役 細矢利貞

創業者 細矢利貞

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